【価格別】名刺デザインの発注先
本記事では、名刺デザインを価格帯ごとに分類し、それぞれの特徴や発注先を整理します。
※両面カラー・地図などの複雑なイラストを含まない前提の価格感です。
無料
発注先・方法
- 自分で作る
探すなら:なし
無料で発注することは基本的に不可能。ラクスルなどのテンプレートを利用すれば「それっぽく」作れるが、掲載内容の整理やデザインの最適化が欠けるリスクがある。
- 総合的な制作会社や制作事務所
探すなら:
東京ロゴクリエイション
お手軽ホームページ
ロゴやホームページを発注する際に「名刺デザイン込み」で対応してもらえるケースあり。実質的に無料に近い費用感で依頼できることもある。
3,000~10,000円
発注先・方法
副業的な制作者が多く、一定品質の名刺を得られる確率は感覚的に5%程度。経験の浅いクリエイターが多く、対応の良し悪しに差が大きい。発注側に説明力と目利き力が求められる。
10,000~30,000円
発注先・方法
制作会社で働きながら副業的に受けるケースが多い。
ただし「経験豊富なデザイナーは安売りしない」ため、品質は安定しにくい。クラウドソーシングで探せるが、良い人に当たるのは難しい。
30,000~50,000円
発注先・方法
- 少しお安めのフリーランスデザイナー
探すなら:△異業種交流会、クリエイターEXPOなど
この価格帯になるとクラウドソーシングではなく、イベントや交流会で出会えることが多い。
品質は一定レベルに達しているものの、ビジネス理解やコミュニケーション力が弱い場合もある。
制作会社と兼業しているデザイナーが多く、直接出会う機会は限られる。
50,000~80,000円
発注先・方法
- 質を担保できる制作チーム
探すなら:
名刺デザイン.jp
ディレクターとデザイナーの2名体制で「内容」と「デザイン」の両面を設計。
名刺交換のシーンを踏まえて、渡した相手に適切な印象を与える名刺を制作できる。
制作会社に依頼すると10万円超になることも多いため、品質と価格のバランスが取れたゾーン。
80,000~120,000円
発注先・方法
- 制作会社の制作チーム
探すなら:検索で制作会社を探す
品質は安定。ただし、安い制作会社を探すと結局「安いなり」になるリスクあり。
この価格帯は、発注先の規模感やブランド力も含めて重視したい方に向いている。
まとめ
- 無料:自作 or 他制作物と抱き合わせ
- 3,000〜30,000円:クラウドソーシング、副業デザイナー(品質のばらつき大)
- 30,000〜50,000円:フリーランス(一定品質だが出会いにくい)
- 50,000〜80,000円:制作チーム体制(品質と価格のバランスが最も良い)
- 80,000円以上:制作会社(規模・信頼性重視)
名刺は「単なる連絡先」ではなくビジネスの信頼性を左右するツールです。価格だけで判断せず、用途やターゲットに応じて適切な発注先を選ぶことが重要です。
即日で名刺デザインを作るには?
結論
名刺を即日で用意する方法は、市販の名刺用印刷用紙を購入し、自宅プリンターで印刷するしかありません。
ただし、これはあくまで「作り方の紹介」であり、ビジネスシーンでの利用を肯定するものではありません。手作り名刺は品質が低く、相手にネガティブな印象を与えるリスクが大きいため、可能な限り避けるべきです。
即日で名刺を作る手順
1. 名刺用の印刷用紙を購入する
エーワン(A-one)の名刺用紙がおすすめです。
参考:Amazon商品ページ
即日希望なら家電量販店や文房具店でも購入可能な場合があります
くりぬきタイプなので、自分で裁断する必要はなく、比較的きれいに仕上がります。
2. 「ラベル屋さん」でデザインする
エーワンが提供する無料ソフト「ラベル屋さん」を利用します。
テンプレートも豊富で、用紙サイズに合わせてデザインできるので、すぐに印刷可能です。
3. 印刷する
完成したデータをプリンターで印刷すれば名刺は完成します。
注意点
即日で作れるものの、以下の問題点があります。
- 紙質が安っぽく、手作り感が出てしまう
- プリンター印刷はにじみやムラが出やすい
- 「名刺を発注できない人」とマイナス評価を受けるリスクが高い
つまり、本当に緊急で必要な場合以外は推奨できません。
即日ではなくても良い場合の選択肢
4〜5日の余裕がある場合
ラクスルなどの印刷サービスを利用するのがベストです。
- オンライン上でデザイン可能
- 印刷品質が高い
- 送料込みでもコストは安価
参考記事:
2週間以上余裕がある場合
プロに依頼するのが理想です。
- 内容整理からデザイン提案まで対応
- 長期的に使える名刺を作れる
参考記事:
まとめ
- 即日で作ることは可能だが、ビジネス用途での利用は非推奨
- 少しでも余裕があれば、印刷サービスを利用する方が圧倒的に安心
- 本当に良い名刺を作るには、プロに依頼するのが最善
名刺デザインに利用するフォントは何がいい?
結論
名刺に使うフォントは「誰に渡すか」「どんな印象を与えたいか」で選ぶ必要があります。
奇抜で読みにくいフォントは避け、読みやすさと信頼感を重視するのが基本です。フォントは小さな紙面において名刺全体の印象を大きく左右します。
大まかなフォントの種類
セリフ体(Serif)
- 特徴:文字の端に「ひげ」や「飾り」が付いている
- 印象:伝統的・格調高い・落ち着いて読みやすい
- 例:Times New Roman、明朝体
- 用途:書籍、新聞、正式な文書、上品さを出したいデザイン
サンセリフ体(Sans-serif)
- 特徴:文字の端に飾りがなくシンプル
- 印象:モダン・すっきり・カジュアル
- 例:Helvetica、Arial、ゴシック体
- 用途:Webサイト、広告、モダンな印象を与えるデザイン
スクリプト体(Script / Handwriting)
- 特徴:手書き風・筆記体のような流れるデザイン
- 印象:優雅・親しみやすい・おしゃれ
- 例:Brush Script、筆記体フォント
- 用途:招待状、ロゴ、カフェやファッション系の名刺
ディスプレイ体(Display / Decorative)
- 特徴:装飾的で見た目のインパクト重視
- 印象:ユニーク・目立つ
- 例:Impact、Comic Sans、装飾フォント
- 用途:見出しやキャッチコピーなど限定的に使用
等幅フォント(Monospace)
- 特徴:すべての文字幅が均一
- 印象:機械的・整然
- 例:Courier、Consolas
- 用途:プログラミング、コード表示
名刺に利用しやすいフォント
セリフ体(Serif)
- 理由:格調高さや安心感を与え、読みやすい。
- 相性の良い業種:士業、教育関係、老舗企業、金融業など信頼性重視の職種。
サンセリフ体(Sans-serif)
- 理由:シンプルで現代的な印象を与え、幅広い業種で使いやすい。
- 相性の良い業種:IT、デザイン、広告、ベンチャー、コンサルなど幅広く対応。
名刺で利用する場合に要注意なフォント
スクリプト体(Script / Handwriting)
- 理由:読みづらさにつながるリスクがある。小さな文字に不向き。
- 使える場合:デザイン・美容・アートなど「柔らかさ」を強調したい業種。
ディスプレイ体(Display / Decorative)
- 理由:派手すぎてビジネス用途では不適切な場合が多い。
- 使える場合:イベント業、エンタメ、クリエイティブ系でポイント的に使用。
等幅フォント(Monospace)
- 理由:事務的で可読性に乏しいため、名刺全体に使うのは不向き。
- 使える場合:エンジニア、プログラマー、システム開発関連で職種性を出す場合。
おすすめフォントの一例
無料で使える Google Noto 系
- Noto Sans JP(ゴシック)
- Noto Serif JP(明朝)
有料だけど安定した美しさのヒラギノ系
- ヒラギノ角ゴ
- ヒラギノ丸ゴ
- ヒラギノ明朝
どれも「癖が少なく読みやすい」ため、名刺には安心して利用できます。
あまり利用しない方が良いフォント
- 詰まりすぎて窮屈に見えるフォント
- 崩れすぎてだらしない印象のフォント
- 極端に細く印刷で潰れるフォント
- 読みにくい装飾フォント
まとめ
名刺に利用するフォントは、読みやすさと印象のバランスが最優先です。
- 基本はセリフ体またはサンセリフ体
- スクリプト体や装飾書体は業種・用途を限定して使用
- 奇抜さよりも「信頼性」と「わかりやすさ」を意識するのが無難
名刺は小さな紙面だからこそ、フォント選びの一手が全体の印象を大きく左右するのです。
おしゃれな名刺デザインにするには?
結論
- デザインの質を高める
- 固い印象にし過ぎない(堅実さは保ちつつ、ほどよい軽やかさを)
- 独自のデザインセンスを含める(“自分らしさ”を適切に反映する)
「おしゃれなデザイン」とは何か
おしゃれに見えるデザインは、端的に言えば
「質の高いデザイン」×「独自のデザインセンス」 です。
どちらか一方だけでは成立しにくいです。土台となる“質”で信頼を担保し、そこに“独自性”を少量ブレンドして洗練度を上げます。
デザインの質を高めるには
質の高さは「見た瞬間の心地よさ」で判断されます。具体的には次の要素の総合力です。
- 配色:色数は抑えめ(基調1〜2色+強調1色)。コントラストを確保し、可読性を最優先にします。
- 余白(スペース):情報の“呼吸”。詰め込みは厳禁です。上下左右の余白を均質に保ち、項目間は段差をつけて整理します。
- フォント:本文用・見出し用の最大2書体に限定。文字サイズのヒエラルキー(氏名>肩書>連絡先)を明確にします。
- 行間・字間:小さな紙面ほどやや広めが読みやすいです。
- 線・形:線幅は細すぎると印刷で飛びます(目安0.3pt以上)。角丸やアイコンは最小限に。
- 視線誘導:左上→右下の流れを意識。氏名→肩書→連絡先の順に自然に目が滑る配置にします。
- 実務面:塗り足し・安全域、QRサイズ、用紙選定など印刷要件を満たすこと。
現実的には、基礎習得+制作経験が必要です。短期で“質”を引き上げるのは難しいため、重要案件はプロ活用が近道です。
独自のデザインセンスとは
“おしゃれ”は既視感が薄いほど成立しやすいです。ただし「奇抜」は逆効果。ここでいう独自性は伝えるべき要素を“どう表現するか”の工夫です(デザイナーのエゴではありません)。
- 業種・強みの翻訳:税務×安心感→落ち着いた色調+端正な余白/飲食×予約導線→CTAを最優先配置
- モチーフの比喩:建築=グリッド/編集=ルーラー線/ワイン=繊細なトーン差 など
- 素材と加工:用紙の手触りや箔・型押しを“少量”で効かせる(やりすぎない)
独自性を適切に出すには、内容(事業・顧客・提供価値)の理解力が前提です。
おしゃれな名刺を作る現実的な進め方
テンプレートは“それっぽい”見た目には届きますが、おしゃれの水準には届きにくいです。
理由は「情報設計の最適化」「余白や文字の細密調整」「用紙・加工の選択」がテンプレでは再現しづらいからです。
結論として、デザイナーへの発注が前提になります。
デザイナー選びのコツ
1. デザイナーの経験値
デザインの“質”は、経験値によって大きく変わります。
- 10年以上の実務経験があるかどうか
- 名刺以外のデザイン(ロゴ・パンフレット・Webなど)を幅広く経験しているか
- 印刷物の知識(塗り足し・紙質・加工表現など)を理解しているか
これらが備わっているデザイナーは、細部にまで気を配りながら仕上げることができるため、安心感があります。
2. 業務への理解力
デザインは「見た目の装飾」ではなく、事業や業務内容を伝える手段です。
そのため、依頼者の業務を理解できるかどうかが非常に重要です。
- 提供しているサービスや商品の特徴をきちんと理解してくれるか
- 名刺を渡す相手像(顧客、取引先、発注者など)を踏まえて提案してくれるか
- 業界特性に合ったトーンや表現を選んでくれるか
業務理解のないデザイナーは、単なる「きれいなデザイン」を作るだけに終始し、実用性に欠ける名刺になりがちです。
3. 一般ビジネスへの理解力
ビジネスの基本感覚を持っているかどうかも重要な判断基準です。
- 信頼を得るために「奇抜すぎないデザイン」が必要な場面を理解しているか
- 名刺の役割が「情報伝達+信頼獲得」であることを踏まえているか
- 名刺交換のシーンやマナーを理解したうえで、余白や情報量を調整できるか
一般的なビジネスマナーや商習慣を理解しているデザイナーなら、名刺が実際のビジネスシーンで機能する仕上がりを期待できます。
逆に「私はデザインにしか理解がありません」というデザイナーまたは、上辺でしかビジネスを理解していないデザイナーは要注意であると言えますが、ビジネスへの理解が深いデザイナーというのはなかなか見つからないというのが実情です。
ディレクター × デザイナー体制の強み
名刺デザイン.jpでは、
内容整理に長けたディレクターが事業・顧客・活用シーンを言語化し、
実務経験10年以上のデザイナーが最適解へ落とし込みます。
二人三脚により、“質”と“独自性”を両立した“おしゃれ”に到達しやすくなります。おしゃれな名刺をご希望でしたら、ぜひご相談ください。
まとめ
- おしゃれは 「質」×「独自性」 の掛け算です。
- 固さを適度にほぐしつつ、可読性と余白で上質さを担保します。
- 内容を理解できるプロ体制での制作が結局いちばん近道です。
名刺デザインを外注する事のメリットとは?
結論
名刺デザインを外注すると、プロとしての品質を得られるだけでなく、記載内容まで含めた最適化が可能です。そのため、名刺交換時のコミュニケーションの質が高まりやすくなります。
外注しない場合
名刺を外注しない場合は、社内のスタッフや自身で印刷サービスのテンプレートを使って作成することになります。
外注しないメリット
- コストを抑えられる:外注費用が不要のため、安価に名刺を用意できる。
- スピーディーに対応可能:自分で完結できるため納期に縛られにくい。
外注しない場合の注意点
- テンプレートは一見きれいに見えても、細部の調整が甘く素人感が出やすい
- 他者と同じデザインになるリスクがある
- 見た目は整っていても、情報設計(どんな要素を載せるか)の最適化がされていない場合が多い
外注する場合
内容からしっかり考えられる
名刺はデザインだけでなく「何を載せるか」も重要です。
プロに依頼すれば、事業内容やターゲットを踏まえた内容設計からアドバイスを受けられます。
品質の高いオリジナルデザインが用意できる
プロのデザイナーは、
- 配色や余白
- 書体の選定
- 情報の優先順位
など、細部にまで気を配ってデザインを仕上げます。結果として、**「信頼につながる名刺」**になります。
外注時の注意点
ただし、外注すれば必ず高品質というわけではありません。
- 安価な業者は避けるべき:テンプレート流用や粗いデザインで「自作の方がマシ」と思える場合もある
- 制作事例を鵜呑みにしない:公開されている実績が本当にそのデザイナーの実力かは分からない場合がある
- 相談段階で見極める:「この人なら信頼できる」と感じられるかどうかが依頼先選びの決め手です
まとめ
- 内製(自作・社内作成):コストを抑えやすいが、品質や差別化に課題
- 外注(プロ依頼):コストはかかるが、内容設計 × デザイン品質の両立が可能
名刺は「単なる紙」ではなく、第一印象と信頼を左右するツールです。
費用をかけることで得られるメリットと、内製で抑えた場合のリスクを比べて判断することが大切です。