名刺デザインのデザイナーの選び方
結論
名刺のデザインを依頼する際は、以下の5つの能力を持つデザイナーかどうかを見極めることが重要です。
- 情報把握力/整理力
- デザイン設計力
- デザイン表現力
- 経営持続力
- コミュニケーション力
必要な能力と見極め方
1. 情報把握力/整理力
名刺は狭い紙面に情報を詰め込むため、取捨選択と優先順位付けが必要です。
デザイナーが本当に優秀なら、打ち合わせの場で依頼者の意図を整理し、「何を残し、何を削るか」を示してくれます。
見極めポイント
- 打ち合わせで「見た目」の話しか出てこないデザイナーは危険
- 情報を要約し、方向性を言葉で示せるかどうかを確認する
2. デザイン設計力
情報の並べ方や強弱には意味があります。
氏名と電話番号の位置関係ひとつで「直通か会社代表か」の印象は変わります。設計力が低いと、誤解を与える名刺になります。
見極めポイント
- 制作事例よりも「デザイナー本人の名刺」を見せてもらう
- 情報が整理され、自然に視線が流れる設計になっているかを確認する
3. デザイン表現力
設計だけでも一定水準にはなりますが、表現力があると名刺は格段に魅力的になります。
ただし、表現力が強すぎると「クセ」に見えてしまうこともあり、目的から逸れる危険も。
見極めポイント
- デザイナー自身の名刺で“テンプレ感”が出ていないかをチェック
- シンプルながらも細部に美しさが宿っているか(フォント選び、余白の使い方)
4. 経営持続力
名刺は作って終わりではありません。住所変更やスタッフ追加などで更新性が求められるツールです。
経営基盤が不安定なデザイナーだと、いざ修正が必要なときに連絡がつかないリスクがあります。
見極めポイント
- 安すぎる料金設定は要注意
- 適正価格で事業を継続できる見込みがあるかを確認する
5. コミュニケーション力
名刺制作では打ち合わせや修正対応が必須です。相手に不快感を与えるデザイナーでは、満足のいく成果は得られません。
見極めポイント
- 打ち合わせの際はカメラONを基本にしているか
- 表情や声のトーンで「伝える努力」があるか
- 不機嫌そう、投げやり、あるいは曖昧な対応をしないか
制作実績は“ほどほどに”
制作実績は参考程度にはなりますが、鵜呑みは禁物です。
- クライアントの要望をなぞっただけのケースもある
- 公開可能な一部しか掲載していない
- 実際の力量を反映しきれていない
デザイナー本人の名刺であれば、誰かの指示があったわけでもなく、もっともわかりやすい実力を把握する事が可能になります。
実績よりも重視すべきは「打ち合わせでの対応」や「本人の名刺」です。
優秀なデザイナーの希少性
5つの能力すべてを高水準で備えているデザイナーは稀です。
仮に存在しても、大手案件や高単価案件にしか対応しない可能性があります。
依頼者は、自分の優先順位を考え、どこで妥協し、どこを重視するかを決める必要があります。
名刺デザイン.jpの取り組み
名刺デザイン.jpでは、1人のデザイナーにすべてを任せるのではなく、
- 情報整理・戦略設計を担うディレクター
- デザイン表現を担う経験豊富なデザイナー
の2名体制で対応。
結果として、5つの選定ポイントをクリアしつつ、安心感のある名刺制作を実現しています。
まとめ
- デザイナー選びは「見た目」ではなく5つの能力で見極める
- 制作実績よりも、打ち合わせでの整理力・設計力を重視する
- 経営持続力やコミュニケーション力も実は重要な選定基準
- すべてを兼ね備えたデザイナーは希少。だからこそ、体制で補う会社を選ぶのも一つの方法
名刺デザインを自作するには?
結論
名刺を自作する方法は大きく2通りです。
- Adobe Illustratorで本格制作(自由度と再現性が高いが、習得コストがかかる
- ラクスル等のオンライン編集ツールでテンプレ活用(手早く作れるが、差別化が難しい)
どちらを選ぶかは、目的・必要水準・投下できる時間の3点で決めると失敗しません。
- 「商談の第一印象を上げたい/長く使う定番名刺が欲しい」→ Illustrator or プロ依頼
- 「とにかく急ぎで必要/イベント用の暫定」→ オンラインツール
先に“情報設計”を決める
自作最大の落とし穴は、いきなりテンプレに文字を流し込むことです。先に下記だけ決めてください。
- 誰に渡す?(顧客/発注先/採用/投資家)
- 何を覚えてほしい?(強み1つ/行動1つ:例「予約URLへ誘導」)
- 優先順位(氏名>肩書>連絡先>ベネフィット)
- 裏面は使う?(使うなら“1テーマだけ”に絞る)
この4点をメモしてからデザインに入ると、仕上がりの“通用度”が一段上がります。
Adobe Illustratorで自作する
概要
- Adobeのプロ用ソフト。ベクター編集で拡大縮小しても劣化しないデータを作成できます(ロゴや印刷物に最適)
- 印刷会社が最も扱いやすい形式(ai/PDF)で入稿可能です
メリット
- 自由度が極めて高い(配色・余白・文字組・加工指定まで)
- 再利用性が高い(名刺→封筒→チラシへ展開が容易)
- 印刷事故を避けるための細かなコントロールができる
価格の考え方
- ソフト契約が必要(Illustrator単体の月額課金 約5,000円)
- 学習時間=実質コストです。“すぐに戦力”は難しい点は織り込みが必要です
ラクスル(オンライン編集)で自作する
概要
- ブラウザ上でテンプレを編集→そのまま印刷まで完結
- デザインツールは無料(印刷費のみ)
メリット
早い・安い・迷いにくい
用紙や加工を選べるため、紙選びで“それっぽさ”を底上げ可能
作り方(テンプレ感を薄める3点)
- 色数は3色以内(基調1–2+アクセント1)に限定
- フォントは2書体以内、見出し/本文のサイズ差でメリハリ
- 余白を増やす:テンプレの詰まりは“安っぽさ”の元。要素を1つ減らす勇気
価格・印刷
- ツール利用は無料/名刺100枚の印刷費は低価格帯
- 他社へのデータ持ち出し不可(ラクスルでの印刷が前提)
向いているケース
- イベントや急ぎの暫定名刺
- まずは“最低限の名刺を1枚”用意したい場合
自作のデメリット(“作れる”と“通用する”は違う)
素人感はそのまま“信頼の低下”に直結します
- 名刺は小さな紙面で“情報設計・余白・文字組”がシビア。完成度の閾値が高いです
- 商談の入口である以上、「可愛い自作」ではなく“信用できる人”と感じさせる仕上がりが必要です
迷ったら:最初の1枚はプロに任せる → 運用は自分でというハイブリッドが最も合理的です(初期設計はプロ、以降の氏名差替えは自分で)。
ハイブリッド運用(おすすめ)
- プロが情報設計と初期デザインを作成
- PowerPoint納品や編集ガイドもセットにしてもらう
- 以降は氏名・連絡先の差替えを自分で運用(コスト最適化)
名刺デザイン.jpでは、ディレクター+デザイナーの2名体制で設計→デザイン→運用設計まで支援し、PowerPoint納品にも対応します。
まとめ
- 目的/水準/時間で自作方法を選ぶ
- Illustratorは自由度が高いが、入門コストが必要
- オンライン編集は早いが、情報設計と“引き算”でテンプレ感を薄める
- 最適解は初期だけプロ+運用は自分。費用対効果が高いです
名刺をデザインしてくれる会社は?
結論
印刷デザインの経験がある会社であれば、多くの場合は名刺デザインに対応可能です。ただし、どの会社でも気軽に依頼できるわけではなく、会社によって対応の可否や範囲が異なります。
名刺デザインができない会社
以下のような会社は名刺単体の依頼には対応できない場合があります。
Web制作が主流の会社
Webサイトやアプリデザインには強いものの、印刷デザインのノウハウがないケース。
名刺単体の受注を行わない会社
ブランディングやロゴ、カタログ制作など大きな案件を前提としており、名刺だけでは依頼できない場合。
代理店型の制作会社
外部デザイナーに外注しているため、小規模案件は断られるケースもあります。
発注者の規模で断られる会社
特に大手デザイン会社では、個人事業主や小規模事業者の案件を受けないことがあります。
名刺デザインができる会社の探し方
名刺デザインを主体とする会社はほとんど存在しません。多くは以下のいずれかの形態になります。
印刷会社系
印刷を請け負う前提で名刺デザインにも対応。
ただし、無料テンプレートツールを用意して「利用者自身がデザインする」スタイルが多く、完全オリジナルのデザイン対応は限られます。
デザイン会社系
大手は名刺単体では受けない、もしくは非常に高額になる傾向があります。
一方、中小規模のデザイン会社では名刺単体でも対応してくれる場合があります。
名刺を会社に依頼するメリット
個人よりも安定している
名刺は住所変更やスタッフ追加のたびに更新が必要です。
個人デザイナーに依頼すると「連絡が取れない」「廃業していた」などのリスクがありますが、会社なら安定性が高く、継続して依頼しやすいです。
品質管理が整っている
個人の場合はデザイナーの主観に依存しやすく、「これがいい」と言われても論理的に判断が難しいことがあります。
会社の場合は複数の視点で品質管理が行われ、一貫性や客観性を持ったデザインを提供してもらえるのが強みです。
名刺デザイン.jpの名刺デザイン
名刺デザイン.jpでは、
- ディレクター+デザイナーの2名体制で制作
- ビジネスでの利用シーンを踏まえた提案
- オリジナルデザインの提供
さらにご希望に応じて、PowerPoint形式で納品することも可能です。これにより、スタッフ追加や住所変更の際にお客様自身で編集できます。
まとめ
- 名刺は多くの印刷会社やデザイン会社で対応可能だが、単体で依頼できるかどうかは会社による
- 個人に比べて会社に依頼するほうが「継続性」「品質管理」の面で安心
- 名刺デザイン.jpでは2名体制でオリジナルデザインを提供し、編集可能なデータ納品も対応
二つ折り名刺のメリットとデメリットとは?
結論
メリット
- 多くの情報を掲載できる
- 資料代わりとしての機能も担える
デメリット
- 情報が多すぎて伝えたいことが埋もれるリスク
- 制作・印刷コストが高くなりやすい
- 管理・携帯がしづらい
二つ折り名刺とは
通常の名刺の倍の面積を持ち、表面・裏面・中面を含む仕様の名刺です。

メリット
掲載面積が2倍になる
中面も活用できるため、サービス概要、QRコード、簡易リーフレット的な情報も掲載可能です。
デメリット
情報過多
名刺は名刺交換の機会に渡されるツールです。情報を詰め込みすぎると、相手は「名刺を読む」ことに集中してしまい、自己紹介や会話のきっかけを失ってしまうこともあります。
また、じっくり読まれる機会も稀なため、その場での効果を優先するならQRコードで情報を誘導するほうが効果的です。
コスト高
折り加工があるため、通常の名刺の5~8倍程度のコストになるケースが多いです。また、情報修正があるたびに更新コストも嵩みます。
例えば、ラクスルでは100部の二つ折り名刺(両面カラー)が約3,500円~です
一方で通常の名刺は同条件で約500円~です
管理の手間
名刺管理ソフトでは中面情報を取り込みに対応していないものがほとんどです。その結果、実装した情報が無視されることがあります。
厚みが出るため、名刺ケースや手帳に収納しづらくなる点も見逃せません。
二つ折り名刺の有効な活用方法
情報量だけを目的に利用するのではなく、“開く楽しさ”などギミックとして使うことが有効です。
例えば:
- 表面に窓抜きを施し、表面から中面の写真が覗くようにする
- 折る → 開くという動作にワクワク感や驚きを与え、記憶に残るデザインにする
こうした演出を加えることで、単なる情報掲示ツールから「体験型ツール」に昇華させられます。
二つ折り名刺が印刷できるサービス
- ラクスル:両面カラー、100部で約3,500円~(縦・横可)
- プリントパック:両面カラー、100部で約2,000円~(横のみ)
- パプリ:両面カラー、100部で約8,800円~(横のみ)
- アドプリント:両面カラー、100部で約2,500円~(横のみ)
まとめ
- 情報量を載せたいなら二つ折りは魅力的ですが、名刺本来の役割を踏まえて慎重に選ぶべきです。
- 情報として掲載するより、仕掛けとして魅せる工夫に活かすほうが効果的です。
- 価格/管理性/印象から見ると、「通例の片面・両面名刺」で満足できる機会のほうが多いかもしれません。
ショップ向けの名刺とは?
結論
ショップ向けの名刺は、「ショップカードを別途用意するかどうか」、そして**「店舗数が1店舗か複数か」**で大きく内容が変わります。
1店舗経営の場合
- ショップカードを用意するなら名刺はシンプルでOK。
- ショップカードを用意しないなら、名刺がショップカードの役割も兼ねるべきです。
複数店舗経営の場合
- 店舗情報を網羅するのは難しいため、名刺は企業・事業情報を中心に整理するのが妥当です。
1店舗経営の場合の名刺デザイン
ショップカードを用意する場合
ショップカードには通常、以下の情報が含まれます。
- 店舗名
- 住所
- 営業時間
- 電話番号
- ホームページURL
- 地図
名刺と一緒にショップカードを渡せるなら、名刺には最低限の「個人+事業情報」を載せる形で十分です。
表面例
- 屋号名/店舗名
- 肩書
- 氏名
- メールアドレス
- 住所(事務所が別の場合)
- 電話番号(店舗と異なる場合)
- ホームページURL
裏面例
- 店舗名
- 住所
- 営業時間
- 電話番号
- ホームページURL(+QRコード)
- 簡単な地図
こうすることで、名刺とショップカードを分けつつも、受け取る相手にとって扱いやすい情報設計ができます。
ショップカードを用意しない場合
ショップカードがない場合、名刺自体が「再訪促進のツール」になります。
そのため、名刺に「ショップカード的要素」を盛り込みましょう。
- 店舗名
- 住所
- 営業時間
- 電話番号
- ホームページURL(QRコード推奨)
- 簡単な地図
裏面を活用して店舗情報をまとめるのが定番のパターンです。
複数店舗経営の場合
複数店舗を展開している場合は、全店舗情報を名刺に詰め込むのは現実的ではありません。
そのため、名刺=企業や本部としての営業用に整理し、店舗情報は補足的に扱うのが妥当です。
表面例
- 会社名
- 肩書
- 氏名
- メールアドレス
- 本部住所
- 電話番号
- ホームページURL
裏面パターン例
- 店舗リスト(店舗名+住所のみを簡潔に)
- 事業内容や強みの紹介
- 英語表記(インバウンド需要がある場合)
また、本部は営業的な名刺/店舗はショップカード的な名刺と使い分けるのも有効です。
まとめ
- ショップ向け名刺は「ショップカードの有無」と「店舗数」に応じて設計が変わる
- 1店舗ならショップカードを補完するか、名刺にまとめるかを選ぶ
- 複数店舗なら店舗情報を全部載せず、事業情報を中心に整理する
- 本部と店舗で役割を分けることで、相手にとって扱いやすい名刺になります

